日本刀が首に刺さる

 1988年12月26日、勝新太郎が監督を務めた映画『座頭市』のリハーサル中に勝新太郎の息子で俳優の奥村雄大が持っていた日本刀(真剣)が殺陣師の首に刺さり死亡するという事故が起きている。

 奥村は撮影現場関係者らと共に警察から業務上過失致死罪の疑いで事情聴取を受け、奥村の使用した日本刀が撮影用の模擬刀等ではなく真剣であり、それが首を斬りつけていたことが判明。迫力を出すためにスタッフが勝手に真剣を用意して奥村は真剣である事を知らなかったとされるが、ジュラルミン製または竹光の模造刀と真剣では重量や重心が全く違うので気付かないという主張は通常ありえない事だが、裁判ではその主張が採用された。

 お蔵入りが懸念された『座頭市』は公開されたものの「重大事故の発生にも関わらず撮影を続行する製作姿勢」などが問題視され、非難を浴びることとなった。

 亡くなった殺陣師は、死んだフリが一変して本当に死んでしまうとは思いもしなかっただろう・・・


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