溶鉄流で焼死

 2007年4月、中国遼寧省の鉄鋼工場で、鉄を鋳型に流し込む作業中に溶鉄釜が落下し、30トンもの溶けた鉄が32人を飲み込んだ。
 死亡したのは、溶鉄釜のあったところから5メートルほど離れた部屋で会議中だった作業員たち。唐突にやってきた超高熱の「溶鉄流」に襲われ、その場にいた全員が死ぬこととなった。火葬場で焼かれるときの温度でさえ800〜1200℃。それよりも熱い液体が、まるで津波のように彼らに降りかかった。
 通報を受けて消防隊やレスキュー隊が駆けつけたが現場には近づけず、事故から7時間以上経っても熱気が立ちこめ、流れ出て固まった鉄が熱を帯び続けていたという。
 当然、32人の遺体はその鉄の中に閉じこめられたまま。「遺体」と呼べるほどの形が残っていたとも思えないが…。


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