薬殺刑

 薬殺刑(やくさつけい)

 囚人に毒薬を注射し、または服用させて殺す刑。
 古代ギリシャの哲学者ソクラテスはドクニンジンのエキスによって処刑された。
 李氏朝鮮では毒殺の刑があった。現在アメリカで行われている薬殺刑は三剤注射方式で、受刑者は最初のチオペンタールナトリウム(バルビツール酸系全身麻酔剤)注入で意識を失い、次の臭化パンクロニウム(筋弛緩剤)注入で呼吸を止められ、最後の塩化カリウム溶液で心臓を止められて処刑される。稀に失敗する例があり、アメリカでは2006年12月に処刑に失敗し死刑囚が34分も苦しんだという。フィリピン、中国、タイで行われている致死薬注射刑もこれと同じだと思われる。
 また同じくアメリカでかつて用いられていた青酸ガスによる処刑(ガス室)もこの方法に含められる。
 日本でも死刑の際に薬物注入が行われることがある。但し鎮静目的で用いられるだけであり、あくまでも実際の処刑は絞首で行われる。


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