高野光（たかのひかる 1961年5月20日生）［プロ野球選手/プロ野球コーチ］
東京都生まれ。1980年に野球の名門・東海大学に進学し野球部に所属。在籍4年で高野の素質が開花。首都大学リーグでは在学中に5回優勝。187センチの長身から投げ下ろす150km/h近い速球を武器に頭角を現す。1981年秋には首都大学リーグ記録の21連勝に貢献した。1983年秋のドラフト会議では小野和義・川端順らとともに注目株と目され、大洋、西武、阪急、ヤクルトの4球団から1位指名を受け、入札の結果、ヤクルトが交渉権を獲得。そのままヤクルトに入団した。
ルーキーイヤーの開幕戦でいきなり開幕投手を務める。ルーキーの開幕投手は、1962年の巨人・城之内邦雄以来22年ぶりのことでドラフト制導入以後では初めてであった。1986年に12勝をあげオールスターゲームに出場し、名実ともにヤクルトの顔となる。しかし、関根潤三監督時代の1989年に故障。アメリカで右肘の靭帯移植手術を受けた。その後リハビリを重ね、野村克也監督時代の1992年4月7日の対中日戦で1076日ぶりの復活勝利を挙げた。試合後のインタビューでは嬉しさからか涙を流した。この年ヤクルトは高野の活躍もあり、14年ぶりにペナントを制した。
翌1993年もヤクルトは優勝したが、高野自身故障続きで一軍登板なし。1994年、柳田聖人との交換トレードでダイエーに移籍するも、33歳の若さで現役を引退した。引退翌年の1995年、阪神・淡路大震災復興に奮起した仰木彬監督率いるオリックスの二軍投手コーチとして2年連続優勝と1996年の日本一に貢献する。1998年に退団し、翌1999年からは台湾に渡り、台湾プロ野球の三商タイガース投手コーチとして選手育成にあたったが、921大地震の影響でチームが解散となり、その影響で退任した。
その後、2000年春まで韓国プロ野球の現代ユニコーンズで臨時投手コーチをしていたが、帰国後、精神的にたびたび不安定になる。同年11月5日、豊島区のマンション7階にある自宅で、就寝前（午後11時45分頃）、家族の制止を振り切って衝動的に窓から飛び降り自殺。精神病による幻覚により誤って転落したとの見方もあったが、目撃者の話などから自殺と断定された。遺書はなかったが、自殺した当日朝に、東海大学時代の監督に電話をかけ仕事上の悩みを打ち明けており、仕事上の悩みを抱えていたとみられる。
2000年11月5日死去(享年39)
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